ひと昔前はパソコンがあるデスクには、必ずといってもいいほど置かれていたマウスパッド。しかし最近は、見かける機会が少なくなりました。これはマウスの技術が進化したため、マウスパッドがなくてもカーソルがきちんと反応するようになったことが主な理由です。
しかし、マウスパッドの持つメリットはカーソルの反応感度を良くすることだけではありません。今回は、マウスパッドの必要性や選び方についてじっくりとご紹介します。あわせて、マウスパッドが手元にないときの代用品についても見ていきましょう。
もういらないの?マウスパッドの必要性
マウスパッドが必須となっていた当時のマウスといえば、底面に球が埋め込まれた「ボール式マウス」が一般的でした。この球を滑らかに転がすために、マウスパッドが必要だったのです。
しかし、今では「ボール式マウス」を使う人はほとんどいません。その状況変化に合わせて、マウスパッドの需要も落ち込んでいったのだと考えられます。
マウスパッドの役割
マウスパッドには“ボールを転がす”以外の役割もあります。以下は、その代表例です。
- マウスの滑りを良くして操作性を向上する
- マウスの底面を保護する
- マウスパッドの反射でマウスの反応を良くする
マウスパッドを導入することは、より快適な操作とマウス自体の保護に役立ちます。必須とはいわないまでも、使用することのメリットは少なくありません。
マウスパッドの必要性はマウスの種類で変わる
マウスパッドの必要性を語る上で、もう一点補足すべきことがあります。それが、マウスの種類。以下は、現在販売されているマウスに用いられている主な技術(読み取り方式)です。
- 光学式:マウスを裏返すと赤く光るもの
- レーザー式:マウスを裏返しても光らないもの
- 青色LED:マウスを裏返すと青く光るもの
光学式のマウスは光沢のある素材や透明な素材といった面では反応が悪くなるといったように、マウスには床面の素材によって向き不向きがあります。そのため、購入の際にはデスクの素材との相性を考えなくてはなりません。
しかし、マウスパッドを導入すれば、デスクとの相性にかかわらず、ほとんどのマウスが使えるようになります。

マウスパッドの種類には何がある?
ここからはマウスパッドの選び方を見ていきましょう。まずは、マウスパッドの基本的な種類からご紹介します。
ソフトタイプ
シリコンや布、革などで作られたマウスパッドです。柔らかく弾力性があり、厚手のものは手首の負担軽減にも役立ちます。また、適度な滑りとなっているため、マウスを止めやすいのもポイント。素早く動かし、正確に止めるといった操作に向いています。
マウスを使って細かな作業を行う方や、ゲームを楽しみたいという方に人気です。
ハードタイプ
プラスチックやガラスでできたマウスパッドです。表面が硬いので滑りが良く、マウスを大きく動かすのに向いています。また、ソフトタイプに比べて耐久性が高いため、長く使えるのもポイント。手垢などの汚れがついても簡単に拭き取れるので、メンテナンスも簡単です。
ハイブリッドタイプ
表面はハードでありながらも、弾力のある素材を用いたタイプのマウスパッドです。あまり種類が豊富ではないため選択肢は少なめですが、こだわりのある方に人気です。
リストレスト付きタイプ
素材ではありませんが、マウスパッドの中には「リストレスト」が付いているものがあります。マウスの手前にリストレストがあると、その上に手首や手のひらを乗せることで疲労軽減・操作性向上が期待できます。普段から手首の痛みや腱鞘炎に悩まされている方は、リストレスト付きのマウスパッドを選ぶと一石二鳥でしょう。
マウスパッドの選び方3ステップ
次に、マウスパッドの具体的な選び方を考えていきます。今回は、ポイントを3つに絞り、ステップ順でご自身にぴったりなマウスパッドを見つけていきましょう。
【ステップ1】マウスの種類を確認する
まずはお使いのマウスの種類(読み取り方式)を確かめてください。もしも光学式をお使いであれば、光沢や表面に凹凸が少ないものは避けましょう。基本的には、ソフトタイプのマウスパッドを選んでおけば問題ありません。
一方、レーザー式や青色LEDのマウスは基本的にどのマウスパッドでも利用可能です。なお、たいていのマウスパッドにはパッケージに「光学式マウス対応」などの表記があります。念のため、ご自身が使っているマウスの種類と照らし合わせておくと安心でしょう。
【ステップ2】自分のマウスの動かし方を確認する
次に、マウスをどのように動かしているかを確認しましょう。それによって、必要になるマウスパッドのサイズ感が変わります。
マウスを手首や手のひらだけで操作している方であれば、そこまで移動範囲は広くないため、比較的小さなサイズのマウスパッドで十分です。一方、腕ごとマウスを動かすような方は、大きめのサイズを用意しておくと良いでしょう。作業中にマウスがマウスパッドからはみ出すといったストレスもなく、快適にカーソルを操作できます。
【ステップ3】マウスの使用頻度を確認する
最後はマウス操作の頻度です。キーボード入力がメインの作業で、そこまでマウスを使わないという方であれば薄くシンプルなマウスパッドで十分です。
一方、デザイン業務などでほぼマウスを握りっぱなしといった場合であれば、リストレスト付きのマウスパッドを選ぶのがおすすめ。加えて、手への負担を軽減するためにソフトタイプの素材を選んでおきましょう。

マウスパッドがないときの代用品は?
ここまではマウスパッドの必要性をお伝えしてきました。しかし、最近はご自宅やカフェなどの出先でパソコン作業をされる方も増えてきています。デスクに設置したマウスパッドでの操作性に慣れていると、こうした際にストレスがたまってしまうかもしれません。
そこで以下では、手軽にマウスパッド代わりとなるアイテムをいくつかご紹介します。
コピー紙
もっとも手軽な代用品はコピー紙です。紙は表面に適度な凹凸があり、光学式マウスでもしっかりと反応してくれます。大きすぎる場合は、折ったり切ったりして利用してみてください。
本
サイズ的にもマウスパッドにぴったり。普段からカバンに文庫本を忍ばせているというような方にはおすすめの代用品です。
ただし、表面がツルツルとしたものはNG。カバーを外すなどして、ざらっとした手触りの面の上にマウスを置いてください。
ダンボール
ご自宅で代用品をお探しの場合は、ダンボールがおすすめです。厚みがあるものはクッションにもなるため、手への負担軽減にも効果的。ただし、コピー紙のように折りたたむのは難しいため、ハサミで適度なサイズに切る必要があります。
カッターマット
使い勝手が良く耐久性のあるマウスパッドの代用品をお探しであれば、カッターマットが最適です。デスクに常時設置しても構わないのであれば、むしろマウスパッドは不要かもしれません。リストレストは単品でも購入できるので、こちらを設置すれば代用品以上の使い勝手となります。
おわりに
最近ではなかなか見かける機会の減ったマウスパッドですが、その魅力を再確認いただけたのではないでしょうか。もちろん、現在のパソコン環境で特に問題がないのであれば、マウスパッドを無理に導入する必要はありません。一方、「マウスの滑りや反応が良くない」「最近手首が痛い」といったお悩みがある場合は、マウスパッドが解決してくれるでしょう。今回ご紹介した代用品も含めて、ぜひ一度試してみてはいかがでしょうか。
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