近年インターネットを使って、世界中のプレイヤーと同時に楽しめるオンラインゲームが普及しています。しかしそれに便乗して、フィッシング詐欺などでアカウント情報をだまし取ったり、ウイルスに感染させたりする悪意のあるプレイヤーによる被害も発生しています。
オンラインゲームを安全に楽しく遊ぶためにはどうしたら良いのでしょうか?今回はオンラインゲームでのトラブルを避けるための注意点についてご紹介します。
オンラインゲームで起こりうるトラブルとは?
オンラインゲームはインターネットを使い、複数のプレイヤーと同時に楽しめるゲームです。パソコンやスマートフォンだけでなく、専用のゲーム機などを使い、離れた場所にいるプレイヤーと一緒に遊べます。
オンラインゲームは老若男女問わず手軽に遊べるため、サイバー犯罪者の標的となることがあり、詐欺やウイルスの感染、そしてプレイヤーを騙して金銭を奪ったりするような犯罪も度々発生しているのが現状です。
それでは、オンラインゲームで起こるトラブルを具体的に見ていきましょう。
フィッシング詐欺
フィッシング詐欺とは正規のサービスのログインページとほぼ同じデザインの偽サイト(フィッシングサイト)を用意して、ユーザーをそこへ誘導し、IDやパスワードなどを入力させて、認証情報や個人情報を盗み出す手口です。
例えば、サイバー犯罪者はオンラインゲームの運営者に成りすまして、プレイヤーに近づきます。そして「ゲームを有利に進めるアイテムが無料で入手できる」あるいは「アカウント情報が漏洩したからパスワードを変更しなくてはならない」などとプレイヤーを騙して、フィッシングサイトへと誘導して情報を入力させるという手法です。
入力された個人情報がサイバー犯罪者に知られると、ゲーム内のアイテムや通貨が奪われたり、個人情報や課金に使われているクレジットカード情報などが盗み取られたりすることがあります。
ウイルス感染
オンラインゲームには、メッセージ機能やチャット機能が備わっていることがほとんどです。サイバー犯罪者はこれらのコミュニケーション機能を使い、プレイヤーに対して不正なURLにアクセスさせることがあります。
例えば、「簡単にレベルアップできるアイテムコードが公開されている」あるいは「未公開のマップが追加できる拡張パックをインストールしよう」など、フィッシング詐欺のときと同様に、言葉巧みにプレイヤーを騙して、ウイルスをインストールさせようとするのです。
ゲームプレイヤーによるトレード詐欺
フィッシング詐欺は、基本的に金銭や情報の窃取を目的とした犯罪行為ですが、悪質なプレイヤーによるゲーム内の通貨やアイテムを騙し取るトレード詐欺による被害に遭うこともあります。
ゲーム内において、レアなアイテムや高価な武器があると、有利なプレイが可能になります。そのため悪質なプレイヤーは、メールやSNSなどで魅力的な条件をちらつかせて、これらのアイテムのトレード話を持ち掛けて、相手を騙すこともあるのです。
誹謗中傷
オンラインゲームは世界中の複数のプレイヤーと同時に遊べるゲームです。それゆえにゲームの世界には独特の人間関係があり、特にプレイヤー同士で戦闘させるようなゲームでは勝ち負けの結果、激しい口論になることがあります。
例えば、負けたプレイヤーは負けて悔しい感情を、チャット機能を使って攻撃的なメッセージとして送ってきたり、外部の掲示板などに匿名で悪口を書いたりして発散させることがあるのです。
他にもプレイヤーの間でトラブルが発生することで、相手のことを罵るメッセージや、嘘や批判などが書かれることもあります。オンラインゲームは直接顔を合わせて遊ぶゲームではないだけに、攻撃的なメッセージや悪口が書かれやすく、ログとして保存されてしまいます。

オンラインゲームでトラブルを避けるための注意点
これまでご紹介してきたように、オンラインゲームではさまざまなトラブルに遭う可能性があります。しかしちょっとした心がけや注意点を守ることで、トラブルを避けることができます。特に以下の点については注意しましょう。
メッセージ中の不審なリンクは開かない
オンラインゲームのチャット中の不審なURLは開かないようにしましょう。たとえゲーム内で親しくしている相手からのメッセージでも、悪意なく危険なURLをメッセージで送信している可能性があります。
アカウントにログインする際には、必ずブラウザのブックマークを使って公式サイトにアクセスし、スマートフォンにアプリをインストールするときは、AppStoreやGoogle Playなど公式のアプリストアを利用しましょう。
悪質なプレイヤーとは出来るだけ関わらない
オンラインゲームはプレイヤーが匿名で遊んでいることが多く、ゲーム内で嫌がらせをしたり、悪意のある発言をしたりするプレイヤーに遭遇することもあります。そのようなプレイヤーと関わると、気分が悪くなったり、他のプレイヤーとのトラブルに巻き込まれたりすることもあるでしょう。悪質なプレイヤーとはできるだけ関わらず、もし問題が発生したら、ゲームの運営者に速やかに報告してください。
アカウント情報をしっかりと管理する
オンラインゲームを遊ぶためのアカウント情報は、厳重に管理しましょう。
ログインに必要なパスワードは、第三者に推測されにくいものに設定し、他のネットワークサービスとは異なるIDとパスワードを利用するなどの工夫が大切です。ゲームによっては二段階認証やワンタイムパスワードなどのセキュリティ機能が提供されているので、併せて利用すると良いでしょう。
ホームネットワークの安全性を強化する
オンラインゲームはインターネットを通じて遊ぶゲームのため、インターネット回線が不可欠です。このインターネットに接続するためのWi-Fiホームルーターが乗っ取られてしまうと、接続されているパソコンやゲーム機の通信が傍受されたり、不正に操作されたりするなどの危険性にさらされることがあります。
特にゲーム機にはパソコンで使われるようなセキュリティソフトをインストールすることはできません。そのため、家庭内のネットワークを保護するセキュリティ製品を利用し、適切なセキュリティ設定を行い、乗っ取りの脅威からゲーム機を守ることが重要です。

子どもがオンラインゲームをする際の注意点
オンラインゲームの中にはプレイするための基本料金が必要なものや、有利にゲームを進めるための課金アイテムが存在するものが多くあります。これらの料金を支払うために、保護者のクレジットカードが無断で使用されて、思わぬ高額課金が発生するというトラブルが発生しています。子どもにオンライゲームを遊ばせる際には、どのような時にどれくらいのお金が必要になるのかなどの課金の仕組みについてしっかりと確認し、教えましょう。
主要なオンラインゲームでは、利用者ごとに課金の上限額を設定できる仕組みが導入されています。オンラインゲームに登録する際に、保護者が責任を持って、個人情報やゲームの課金設定などを入力し、ゲームを継続する際には、これらの情報が変更されていないか、定期的に確認することが重要です。
おわりに
オンラインゲームはインターネットを利用して、他のプレイヤーと気軽に遊ぶことができます。そのため思わぬトラブルに巻き込まれたり、悪意のあるプレイヤーに遭遇したりすることがあります。
オンラインゲームを楽しく遊ぶために、ここでご紹介した注意点をしっかりと理解し、もしトラブルに遭遇したら、ゲームの運営会社や警察、国民生活センターなどに相談し、適切に対処しましょう。
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